2018年 社長年頭 社員向けメッセージ

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2018年01月05日

はじめに

皆さん、あけましておめでとうございます。

年頭にあたり、世界各地の豊田通商グループ社員、そしてご家族の皆さんに謹んで新年のお喜びを申し上げます。
新しい年を迎えるにあたり、昨年の振り返りと、今年皆さんにお願いしたいことについてお話をさせていただきます。

昨年一年を振り返ると、資源価格の持ち直しなどにより、新興国で景況感が改善しました。
先進国においても、欧米の経済が堅調に推移したことに加え、日本も輸出拡大などで景気回復が継続し、世界経済全体として改善傾向が続きました。

今年度も、中国経済の安定成長と一次産品価格の動向により、新興国の成長牽引力が回復するともに、先進国でも持ち直し基調が続くと見込まれています。
しかし一方で、北朝鮮の挑発行為による緊張感の高まり、欧州でのブレグジットの動向、米国トランプ政権下での保護主義的な通商政策など、政治・外交面に起因する大幅な下振れリスクが常に潜んでいます。
日本国内に目を向けると、我々のお取引先を含めた企業が、不祥事や法令違反で苦しんでいる様子が報道されました。
素早い回復を願うとともに、我々自身も含め、企業のあり方について考えさせられました。
皆さんには「安全とコンプライアンスは全ての仕事の入り口である」ことを再度認識していただきき、「小さなことでも見逃さない、もし問題が起きたらBad News First & Fastで報告し、個人ではなく、組織力で速やかに解決する文化」を一緒に作り上げていきましょう。

産業界においては、想像以上に、AI化やIoTといった「テクノロジーの進化」が、全業種において急速に進みました。
我々の主戦場の一つである自動車関連事業を例に挙げると、EVをめぐり、欧州各国や中国、そしてインドまでが、国を挙げて普及と産業強化策を表明し、さらに自動運転、シェアリングにおいても、異業種から新たな企業が参入するなど「100年に一度」の変化が、現実となって表れ始めた一年でした。

当社のおかれた環境

当社は2年前の大幅な赤字決算から「着実に稼ぐ」、「経費を賢く使う」、「無駄な支出を未然に防ぐ」という「土台固め」に取り組んだ結果、前期(17年3月期)にV字回復を実現することができました。
今期についても、これまでのところ好調を維持しており、このままのペースでいくと、2期連続の「自己ベスト」の更新が見えてきています。

また今期は、これまでの土台固めを継続しつつ、「攻め」の一歩を踏み出そうと『前進』のスローガンを掲げ、全社をあげて取り組んでいます。
具体的には、自動車関連のみならず、あらゆる分野で新技術・新商品の開発を後押しする「ネクストテクノロジーファンド」の組成、当社初の海外地域軸での本部となる「アフリカ本部」の新設、激変する自動車業界へ対応するために、全社総勢150名から成る「ネクストモビリティ関連組織」の立ち上げなどの打ち手を講じており、この『前進』の取り組みを加速し、結実させていきたいと思います。

次に、今年一年皆さんにお願いしたいことについて述べさせていただきます。
昨年11月に発信した経営メッセージの中で、今後の成長のあり方を見据え、これまでに当社が培ってきた「らしさ」を再定義しました。
具体的には、商社の基本であるトレーディングや事業経営の中で身につけてきた「縁の下の力持ち」、「知恵を出す、身体を張る、汗をかく」という「らしさ」、グローバルカンパニーを目指し、M&Aや投資の過程で身につけた「らしさ」、そしてトヨタグループ内外で培った知見を相互に活用し、上昇方向のスパイラルを生み出す、トヨタグループの一員としての「らしさ」です。

これから豊田通商“らしい”『飛躍』を目指していくにあたり、我々を取り巻く大きな環境変化と、Negativeな影響から逃れることはできませんが、皆さんお一人お一人には、これまでに培ってきた豊田通商「らしさ」を これからも大切にしていくこと、また、「テクノロジーの進化」に対応し、新たな豊田通商「らしさ」を身につけ、Positiveな影響を少しでも多く、我々の成長に取り込んでいくことをお願い致します。

最後に、本年7月1日に当社は設立70周年を迎えます。
この記念すべき一年が、豊田通商“らしい”『飛躍』のステージへ登っていく節目の一年となるよう、また、皆さんとご家族にとって実りの多い一年となるよう祈念して、私の年頭の挨拶とさせていただきます。

リリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
発表日以降に変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。