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2010年年頭挨拶

2010年 1月 5日

【はじめに】
新年あけましておめでとうございます。
2010年の年頭にあたり、挨拶を申し上げます。

【2009年を振り返って】
昨年1年間を振り返りますと、国内では政権交代や円高・デフレの進行、長引く雇用不安など、さまざまなことが起きた、大変な1年でした。

世界に目を転じますと、米国ビッグスリーの経営悪化や、ドバイの信用不安による金融市場の混乱など、多くの国や企業に影響を及ぼす出来事も起きました。その一方で、中国やインドなどの新興国では、世界経済低迷の影響を受けながらも景気は比較的堅調に推移、G20など世界経済でもプレゼンスを高めました。

これらは、今までの延長線上や固定観念では、予想や理解がしにくい出来事でした。私たちは、単なる従来型の景気循環の中にあるのではなく、かつて経験したことがない、大きなパラダイム・チェンジの真っ只中に突入したものと考えており、対応を急がねばなりません。


【2010年を迎えて】
私は昨年、この場で皆さんに「攻めと守りの経営の実践」をお願いしました。皆さんも攻めと守りの観点から、多くの議論を重ねてこられたと思います。この1年を振り返り、議論を議論のまま終わらせること無く、具体的なアクションを起こすことは出来たでしょうか。パラダイム・チェンジを力強く乗り越え、その一歩先を行くために、私たちはいま何をすべきで、お客様は私たちに何を求めているのか。是非、考え抜いた上で行動に移していただきたいと思います。

そこで、豊田通商グループが再び力強く前進するために、年頭にあたり、私から3点お願いがあります。それは、皆さん一人ひとりが豊田通商グループウェイに則り、現地・現物・現実で「考え」、商魂で「挑戦」し、チームパワーを以って「変化」していただきたいということです。

【考える】
はじめに、「考える」ことをお願いします。私たちは日々変化する社会やお客様のニーズに応えるために、常に一歩先を歩み続ける必要があります。そのためには、現地・現物・現実の精神で、当たり前のことを徹底的にやり遂げる以外に近道はありません。

パラダイム・チェンジを乗り越え、5年後、10年後に大きな収穫を得るためには、例え当社を取り巻く環境に不透明さが増しても、知恵と経験を結集し、継続的な種まきを、コツコツと確実に積み重ねることが大切です。どんなに厳しい状況の中にも、必ず変化の兆しはあります。皆さん一人ひとりが日頃から五感を研ぎ澄まし、変化を的確に読み捉え、「いま」「何を為すべきか」をじっくり考え、行動してください。

勿論、一歩先を見越すことも大切ですが、時には過去を振り返ることも重要です。当社の過去10年は成功モデルの面展開に支えられた、謂わば「ヨコテンの10年」でした。しかし、好業績の中に驕りや気の緩みが無かったか。是非この機会に、一人ひとりが初心に返って考えてください。「考える」ことは、変化に対応する第一歩です。


【挑戦する】
次に、商魂で「挑戦する」ことをお願いします。繰り返しますが、「考える」ことは変化への第一歩です。但し、ただ考えるだけでは何も起きません。常に一歩先を見据え、「考え」抜いたアイデアを実行する。即ち「挑戦する」ことが必要です。是非、前向きな「挑戦」を続けてください。勇気をもって果敢に「挑戦」すれば、パラダイム・チェンジは必ずや乗り越えることができると確信しています。

勿論、いつの時代にも「挑戦」にはリスクが伴います。成功を収めた人の後ろで同じことを繰り返すだけならリスクは減りますが、成功者を超えることはできず、個人としてもチームとしても成長はありません。大きな目標のもとに緻密に戦略を練り上げ、果敢に「挑戦」してこそ、より大きな喜びを味わうことができるのです。持続的な成長のために、いま豊田通商グループが総力を結集して挑むべきものは何か、社会が求めているものは何か、是非皆さんも知恵を絞って「考え」、そして「挑戦」してください。

例えば、新興国や環境問題への対応、原価低減などは、挑戦すべきテーマと考えています。先ず初めに新興国ですが、当社では、ブラジル・ロシア・インドを含む3カ国4地域を新興国と位置付けています。私も昨年は数カ国訪問しましたが、現地・現物で見る新興国には、成長回帰を目指す先進国をよそに、目も見張るばかりの勢いがあります。私たちには新興国の既存事業を通じて得たビジネスのノウハウと、信頼できるパートナーが居ます。現地の声に真摯に耳を傾けて「挑戦」すれば、必ずやその国とお互いが成長できる良好な関係を築くことができるはずです。

次に環境です。私たちは地球規模で環境問題に「挑戦」し、多様な生物が共存共栄できる社会づくりを目指す必要があります。また、環境はこれまで蓄積してきたノウハウや新しい技術を、如何なく発揮できる分野でもあります。ちょうど今年は、国連の定めた「国際生物多様性年」であり、皆さんもご存知のように、第10回目の生物多様性条約締約国会議(COP10)が名古屋で開催されます。この機会に、是非皆さんも「人・社会・地球との共存共栄をはかり、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す」という当社の企業理念のもと、事業的視点から環境に「挑戦」してください。

最後に、原価低減です。私たちのお客様は、日々固定費の削減に「挑戦」されており、この動きは更に強まるはずです。今後、大いに拡大すると考えられる新興国の中間層の市場、所謂ボリュームゾーンを獲得していくためには、低価格帯における相対的な品質の高さやサービスの展開が必要であり、そのためにも原価低減は不可欠です。是非グループ各社で一丸となって知恵を絞り、自らが率先して原価低減に粘り強く「挑戦」してください。

【変化する】
3点目に、チームパワーで「変化する」ことをお願いします。皆さん一人ひとりやチームが徹底的に「考える」ことで、ようやく「挑戦」のスタートラインに立つことが出来ます。その挑戦を実行する為には、自らが「変化」することが求められます。「変化」した結果、成長が見えてくるはずです。しかしながら、いま豊田通商グループ内で起きている「変化」は、規模・スピードの両面で十分と言えるでしょうか。過去の慣習に縛られて変化を拒んだり、諸先輩が築いたビジネスに安住していないでしょうか。

世界は「変化」の時代、「変化」は商社にとって大きなチャンスです。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が残るのでもない。唯一生き残るのは変化する者である。」という言葉があります。そのために、皆さん一人ひとりが自己研鑽を怠らず、しなやかな発想と、一度決めたら突き進む行動力を持って、「変化」をリードしてください。そして、自ら「変化する」ことにより、豊田通商グループ全体に「変化」を巻き起こして下さい。

【最後に】
私の思いも交え、「考える」、「挑戦する」、「変化する」について申し上げました。忙しい日常業務の中で、なかなか立ち止まって「考える」機会は無いかもしれませんが、是非この機会に「考えて」みてください。「挑戦する」ことや「変化する」ことは、言うは易しですが、勇気が必要ですし、戸惑うことも多いと思います。しかし、「変化」を避けることは出来ません。皆さん一人ひとりが変革の担い手となり、「挑戦」し続けて下さい。私も皆さんの先頭に立って「挑戦」します。豊田通商グループ3万人が一丸となって、「考える」、「挑戦する」、「変化する」のキーワードのもとに、「明るく、楽しく、元気良く」今年1年頑張りましょう。

最後に、皆さんとご家族のご健勝を祈念しまして、私の年頭の挨拶とさせて頂きます。

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