豊田通商株式会社 CSRレポート
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 この実証プロジェクトの成果を踏まえ、当社は2014年2月、実証実験の現地パートナー企業(北京博瑞聯通汽車循環利用科技有限公司)に資本参加し、日本企業としては初めて中国国内での自動車解体リサイクル事業に参入しました。今後はこの合弁会社によって「環境、安全、高生産性」を追求した「中国のELV解体モデル工場」をめざした事業を進めていきます。 さらに将来的には、中国国内の他地区への展開も構想しています。自動車リサイクル法の施行など、中国社会の法整備の進展に合わせ、5年後には中国国内の拠点を20にまで増やす計画です。そしてNO.1のELVリサイクル・バリューチェーンを中国でも構築し、循環型社会の実現に貢献していきます。北京での実証実験で先進的リサイクルシステムを実現「ELVリサイクル工場」のモデルを中国各地に展開担当者メッセージステークホルダーの声現在の中国の自動車リサイクル工場は、手作業での解体作業が主流で安全性や処理効率に課題があります。また処理にともなう環境負荷の低減もまだ不十分です。しかし近い将来には、中国でも欧州や日本のような環境・安全に配慮した法が整備され、リサイクル産業の変革が起こってくるはずです。そこに当社が長年蓄積してきた技術やビジネスモデルのノウハウを最大限に生かすことで、中国社会の発展をお手伝いしていきます。 他の新興国でも今後は膨大なELVが発生してきます。それら大量のELVが、それぞれの国の中で、資源としてしっかりリサイクルされるための土台を、早急に確立することが重要です。 北京での新事業が、その端緒になればと考えています。長年のノウハウを新興国のELVリサイクル市場に活かす豊田通商との協働で中国における先駆者を目指します環境・リサイクル事業推進部 部長北詰 一隆北京祥龍博瑞集団 董事長・総経理王 東節※3 ASR : Automobile Shredder Residueの略。  使用済み自動車のシュレッダーダスト※2 3R : リデュース、リユース、リサイクルを設立し、使用済み自動車(ELV)から鉄屑、非鉄金属などの資源を回収し再資源化する事業を開始しました。1994年には、ELVから排ガス触媒として利用した貴金属を回収・リサイクルする豊通リサイクル(株)を設立。さらに1998年からは世界初の「ASR※3再資源化工場」によりASRリサイクル事業も開始しました。 2001年には、自動車専門の「リサイクル研究所」も設置し、解体しやすい車両構造や効率的な解体技術、レアメタルの循環技術といった研究活動を進めてきました。豊田通商グループがこれまでに国内でリサイクルしたELVは約650万台、現在のリサイクル実効率は99%に上っています。 こうした自動車の全ライフサイクルを通した3Rの総合的取り組みが評価され、3R推進協議会主催の「平成25年度3R推進功労者等表彰」で当社はトヨタ自動車(株)とともに「内閣総理大臣賞」を受賞しています。 国内NO.1のELVリサイクル・バリューチェーンを構築している当社は、自動車リサイクル事業の海外展開も積極的に進めてきました。すでに自動車製造工場で発生する金属くずなどのリサイクル事業については世界11カ国23拠点で展開。さらに2012年には、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、大規模集約型の「先進的自動車リサイクルシステム」の実証プロジェクトを中国・北京で開始しました。 急速な経済成長を背景に、自動車保有台数が世界第2位となった中国では、今後の環境規制強化によって旧式車両の多くが廃車になっていくことも相まって、近い将来にELVの爆発的増加が予想されています。この膨大なELVを、環境負荷をできる限り低減しながら、安全かつ効率的にリサイクルしていくことは、今後の中国の大きな社会課題です。 北京での実証実験では、2年間をかけて前処理からフロン破壊などの有害物処理、車体裁断や廃タイヤの破砕まで、環境負荷を低減したトータルな解体・リサイクルシステムを構築。年間1万台以上のELV処理を可能にする、日本国内にも類を見ないほどの先進的なリサイクル工場を実現しました。トヨタ自動車とともに「内閣総理大臣賞」を受賞解体後、キューブ状にプレスされた車両自動車関連サービス・貿易のバリューチェーンを持つ北京祥龍博瑞集団は、華通豊田、博瑞華通中古車等の共同プロジェクト立ち上げをはじめ、豊田通商と長い協力関係の歴史を築いてきました。今回、弊社のリサイクル関連会社である博瑞聯通に、豊田通商の資本参画を得て、中国・日本両政府の支援のもと、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証試験を実施。博瑞聯通の設備と技術の優位性を実証できました。博瑞聯通は今後も、各方面からのご支援のもと経験を蓄積し、業界における先駆者の役割を積極的に担っていきます。それがひいては、北京が資源節約型社会、環境友好型社会に発展することへの貢献につながると信じています。様12

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