豊田通商株式会社 CSRレポート2012
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豊田通商株式会社「CSRレポート2012」への第三者意見 豊田通商は、2002年から環境報告書を、2005年からCSRレポートを発行しています。このような実績を踏まえて、特集や事業活動を通じての取り組みの成果をさまざまに工夫して、わかりやすくステークホルダーへ開示しています。 特に、豊田通商グループ理念体系とグループウェイをわかりやすく明示するとともに、CSR推進体制やステークホルダーとCSR課題を密接な対応などを図解して説明しています。総じて、有力総合商社とほぼ同じように、全社一体となってのCSR活動報告と評価できます。(評価できる点、改善が認められる点) 第1に、豊田通商のCSR活動の特徴は、経営トップのメッセージで明確化されている企業活動のすべてのあり方を律する「経営そのもの」であるとの考え方が一貫していることです。2011年4月に、次の10年で目指すべき目標として、新しい「GLOBAL 2020 VISION」を策定し、特に注力していく事業分野を掲げ、ありたい企業像を示しグループ全社員が共有し実践しています。企業活動と意欲的な目標達成の戦略やプロセスが整合性をもって明確に示されています。 第2に、特集として7営業本部のグローバルな取り組みは、それぞれ左頁に写真と図解で活動内容をわかりやすく示し、右頁に簡潔な解説を行い、併せて「ステークホルダーの声」と「担当者のメッセージ」を掲載しており、全体が一覧できます。特に、社会的課題たるエネルギーの安定供給(炭層メタンガス開発)、医療レントゲン用造影剤などの原料としてのヨードの開発・生産などは、当社ならではの取り組みです。さらに今回は、ステークホルダーの声を前回の3本部から全本部で掲載していますので、まさにステークホルダーの尊重と相互の対話の促進が図られています。 第3に、事業活動を通じて、「安全文化の構築」「多様な人材による価値創造」「環境への取り組み」「社会貢献活動への取り組み」の様子を、紹介しています。 具体的には、①「グループ安全衛生方針」を掲げ、労働安全衛生マネジメントの実践から、食の安全の確保まで、②人事理念を掲げ、人財育成、人権尊重、多様性の尊重、健康・安全管理まで、③「グループ環境方針」を掲げ、環境マネジメントシステムの構築と推進、地球温暖化防止、汚染防止、環境教育・啓発活動まで、④社会貢献活動基本方針と活動方針を掲げ、「環境・福祉・教育」の3つの重点テーマと東日本大震災復興支援まで、をそれぞれ紹介しています。 第4に、豊田通商のCSR活動は、経営トップのメッセージで「持続可能な社会づくりに貢献する」ことを明示した上で、コンプライアンスやリスクマネジメントを包含するコーポレート・ガバナンスの体制の構築と適切な運営を基盤として、グループ理念体系の4層構造、ステークホルダー満足の向上、新たなサプライチェーンCSR行動指針の制定などが一体となって、独自のユニークな取り組みなどまで網羅されています。(今後の課題) 豊田通商のCSR活動とレポートは、昨年以上に情報の透明性、信頼性を高めており、社会から高く評価される基準を満たしています。 そこで、今後はグローバル活動の根底に国際規格ISO26000と国内規格JISZ26000を据えて、さらに地球規模での環境、コミュニティの発展などの社会的課題にグループの総力を挙げて取り組まれるようお願いします。 今後ステークホルダーの信頼をさらに高めるために、「有識者との懇談会」(ステークホルダー・ミーティング)を開催することを提案します。出席者は、経営陣などCSR推進委員会メンバーと各営業本部と密接な関係にある有識者などが一堂に会してCSR活動状況について率直に意見を交わします。この結果、当社のCSR活動が「経営そのもの」であることがステークホルダーからも確認され、新たな発展につながると思われます。その成果を、本レポートに掲載すれば、さらに社内外への素晴らしい情報開示となりましょう。1959年中央大学第2法学部および1968年同第2経済学部卒。1954年~95年日本銀行等勤務の後、早稲田大学大学院講師等を経て、2002年~06年立教大学大学院教授。経営倫理実践研究センター理事・首席研究員、経済産業省「ISO26000JIS化本委員会」委員等。著書多数。東京交通短期大学 学長[プロフィール]田中 宏司 氏46

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