豊田通商株式会社 CSRレポート2012
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本取り組みは、新しい天然ガス資源として期待される炭層メタンガスを開発し、「クイーンズランド・カーティスLNGプロジェクト」に供給するものです。日本の電力会社・ガス会社を主要顧客に持つ同プロジェクトへのガス供給は、日本のエネルギー安定供給への貢献にもつながると考えています。 炭層メタンガス開発については2012年4月、カナダでも同様の事業をスタートさせています。今後も積極的に新しいエネルギー資源の開発に参画し、エネルギーの安定供給に努めていきます。担当者メッセージ今後も新たな資源の開発に積極的に挑戦しエネルギーの安定供給に貢献していきます。グラッドストーンの港湾地区で建設中のLNG化プラント環境への負荷を最小限にするために、水処理プラントを建設(写真は、近隣鉱区で建設中のプラント) 資源価格の高騰や採掘技術の向上を背景に、これまで採算が合わないとされてきた「非在来型」天然ガスの開発が進んでいます。現在、世界最大の天然ガス生産国かつ消費国である米国では、天然ガスの生産量・消費量に占める「非在来型」の比率は、約5割を占めるまでになっています。 そして、新たな「非在来型」天然ガスとして、いま大きな注目を集めているのが炭層メタンガスです。炭層メタンガスとは、石炭層に貯留された、主にメタンからなる天然ガスのことで、オーストラリアでも膨大な量の炭層メタンガスが埋蔵されているといわれており、炭層メタンガスを原料とするLNGプロジェクトが複数計画されています。オーストラリア産の炭層メタンガスを原料とするLNGは、日本の電力会社・ガス会社への供給を予定しており、天然ガスをほぼ100%輸入に頼る日本にとって、期待の高い新しいエネルギー資源といえます。新しい天然ガス資源として大きな注目を集める炭層メタンガス 豊田通商は、エネルギーの長期安定確保のため、中東原油・東南アジア重油の輸入契約、北アフリカ・オーストラリア・北米におけるガス生産事業、オーストラリアにおける石炭生産事業などに取り組み、資源開発から安定供給までのバリューチェーンを築いてきました。炭層メタンガス開発にも早い時期から着目し、2009年にオーストラリアで開発権益を取得。その後調査活動を重ねて2011年に世界有数のガス事業者である英国のBG Groupと共同で、「石炭の州」とも呼ばれるオーストラリア・クイーンズランド州において開発プロジェクトをスタートしました。 回収した炭層メタンガスは、クイーンズランド州の港湾都市・グラッドストーンにパイプラインで運ばれ、LNG(液化天然ガス)化されます。LNG化されたガスは、日本の電力会社・ガス会社や、チリやシンガポールなどに輸出される予定です。オーストラリアで炭層メタンガス開発に参画 本事業の推進にあたっては、事業パートナーであるBG Groupとともに、クイーンズランド州政府の環境規制を遵守し、環境保護との両立を図りながら、事業開発に取り組んでいます。※ 炭層メタンガスは、地下水の圧力によって石炭層に貯留された状態で存在しています。この炭層メタンガスを回収するには、地下水を汲み上げて水圧を下げる必要があるため、汲み上げた地下水の有効利用を検討しています。地域コミュニティへの貢献オーストラリアクイーンズランド州政府駐日事務所代表安達 健氏 当事務所は、日本とクイーンズランド州との間の貿易や投資、留学の促進などを主な業務としています。本事業では、豊田通商と現地企業や州政府部署との橋渡し役を務めさせていただきました。温室効果ガス排出量が低く環境にやさしい天然ガスの開発が当地の新たな輸出産業となり、新たな雇用を生み出していることをうれしく思っています。ステークホルダーの声環境にやさしい天然ガスの事業化を歓迎します。エネルギー事業開発部 部長土元 浩二 また、本事業では、地域コミュニティの発展への貢献に注力しています。事業活動を通じた現地の雇用創出はもちろんですが、それだけにとどまらない地域コミュニティへの貢献として、炭層メタンガス回収の際、同時に回収される地下水※についても、農業用水や工業用水などへの有効利用を検討しています。16

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