豊田通商株式会社 CSRレポート2012
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タイでは、経済の成長とともに物流量が増加し、それにともない物資の輸送にあたるプロドライバーの需要も拡大しています。現地で自動車部品の生産に必要な部材の調達と輸送を担うTTKLogistics(Thailand)Co., Ltd.(豊田通商、豊田通商Thailand、キムラユニティ(株)3社による合弁会社)でも、約1,700名のドライバーが約850台のトラックを走らせています。 ドライバーの養成は急務ですが、タイでは短期間で大型トラックのライセンスが取れ、プロドライバーとは程遠い状態で入社してきます。また、登録自動車台数あたりの事故発生率も日本の約4倍にのぼるため、当社では、こうしたタイの現状に即した安全教育が不可欠と考えています。 そこで2011年10月、交通安全教育の拠点としてトレーニング・センター(通称:T-PRO)を、チャチェンサオ県に開設しました。T-PROは、タイ国交通局の陸上運送用車両運転教習課程の訓練コースに準拠した設計で、総面積4万1500m2の敷地内に、高速走行が可能な16度のバンク角を持つ高速周回コースや省燃費運転スキルを習得できるエコドライブコースなどを設け、大型トラックやフォークリフトのドライバーを対象に、多様な教習が可能な施設となっています。交通安全教育の拠点となる教習施設を開設現地の交通安全のため、今後も活動を強化トレーナーとして認定を受けた8名物流事業部 部長平田 龍平 タイでは道路インフラ整備の遅れや十分な教育を受けていない運転者が多いことから交通事故が多発しています。その中で、商品を安全かつジャストインタイムにお客様にお届けすることはもちろんですが、プロドライバー育成を通じて地域の交通安全文化の発展に貢献していくこともまた、自動車産業の一翼を担う私たちの社会的責任と考えています。今後も「安全な輸送」「事故の防止」に重点を置いた活動に取り組んでいきます。担当者メッセージ地域の交通安全文化の発展に貢献していくことが私たちの社会的責任です。T-PRO指導員(センコー株式会社)下元 一孝氏 T-PROオープンに向け、2009年から約2年間をかけてタイの現地トレーナーを育成しました。計15名を日本の交通安全研修施設に招き、基本的な知識・技能研修をした後、今度は日本から専門家をタイに3ヵ月派遣し、指導者としてのスキルを徹底的に教育しました。いまでは日本のカリキュラムをタイの交通事情に合うよう見事にアレンジできるまでに育った彼らこそがT-PRO最大の財産。タイ人トレーナーの活躍に期待しています。ステークホルダーの声日本流の安全ノウハウを現地事情に即して活かせるタイ人トレーナーの存在が最大の財産です。 T-PROでは、新人採用試験から指導者教育まで、階層別のカリキュラムを整え、社員ドライバーの研修を計画的に実施。指導にあたる現地トレーナーは日本で研修を受け、日本流の安全運転のノウハウに、タイ独自の視点を加えて指導にあたっています。整備が行き届かないタイの道路事情を踏まえ、走行中の“危険”を安全に体験できる実習にも力を入れています。例えば濡れた路面で加速して急ブレーキをかけ、いかに停車しにくいかを体験します。こうした体感地域の特性に合わせた安全教育を現地トレーナーの手で走行実習座学教習型実習は「百見は一体験にしかず」といえるほど効果が高く、研修後の安全成績にもそれが現れています。 今後は研修内容をタイの交通事情に合わせてより進化させるために、現地で実際に起こった事故の原因を分析して対策を立て、それを実践・再検討していくPDCAサイクルを、T-PROと輸送の現場組織が一体となって回していきます。これにより、タイ独自の安全対策と教育ノウハウを蓄積し、事故発生率を低減していく考えです。 また、当社および協力会社のドライバーの安全運転技能・安全意識を高めるのはもちろんですが、将来的には他企業や地域のドライバーを受け入れていく計画です。その上で、自動車、トラック、バス業界と連携した大型車教習や、運搬免許発行機能を有する教習所としての国家認定の取得、社外ドライバーへの各研修プログラムの提供など機能を拡大し、アジア新興国に対して交通安全施設のベンチマークとなることを目標とします。これからもT-PROの活動を広げていくことで、タイの交通安全に貢献していきたいと考えています。12

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