豊田通商株式会社 CSRレポート2011
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豊田通商株式会社のCSRレポートへの第三者意見 豊田通商は、持続可能な地球社会を目指し「企業理念やビジョンの実現そのものが、CSR活動である」との共通認識で、ステークホルダーから信頼される企業づくりにまい進しています。全体として、他の総合商社とほぼ同じようなCSR活動状況と評価します。(優れていると評価できること) 第1は、豊田通商のCSR活動は、経営トップのメッセージ、CSR方針、企業理念体系、GLOBAL 2020 VISIONが、一貫して共有化されています。 経営トップのメッセージでは「CSRは経営そのもの」と明示し、2010年度の主な取り組みを総括したうえで、新たな経営ビジョンを宣言しています。CSR方針と理念体系では、「基本理念、ビジョン、長期計画・年度計画とグループウェイ」を4層構造で体系図としてわかりやすく示しています。これは、グループの全員が、経営姿勢とCSR活動の理念を体得し共有するために極めて有効です。 第2は、特集の7つの事業領域での取り組みは、持続可能性の観点を踏まえて、ステークホルダーに対して丁寧に報告する姿勢が鮮明です。 各営業本部では、レアアースの安定的な調達先の開拓、タイにおけるドライバーへの教育や輸送状況の管理、地球温暖化防止に貢献する米国最大級の太陽光発電所の建設やバイオPETの安定供給への着手、クロマグロの完全養殖の事業化を目指した新会社設立、介護事業の展開など、時代と社会の要請に挑戦し、特性を生かして対応しています。 第3は、主要なCSR活動では、労働安全衛生、働く人々への人事面での対応、環境への取り組み、社会貢献活動、ガバナンス、東日本大震災への対応と、具体的な成果が丁寧に説明されています。 労働安全衛生面では推進体制の整備や教育の徹底のほか、取引先との協力で「安全衛生協力会」の運営、人事面では「チャレンジローテーション」や表彰制度の実施、環境面ではグループ全体での同一の環境マネジメントシステムの採用と推進や地球温暖化防止の実施、社会貢献活動面では絵本を届ける活動やアフリカの若者への奨学金の給付、ガバナンス面では推進体制の充実、内部統制(コンプライアンス、リスク管理、情報管理など)、ステークホルダーとのコミュニケーションの促進など、適切な対応と成果がわかりやすく説明されています。 第4に、前年のCSR Report 2010と比較すると、編集方針は同様で継続性を維持しています。今回は、特に人事面で国際的に最も関心が高い人権尊重、多様性の促進をはじめ、ワークライフバランスについて、「出産・育児に関わる制度一覧」を図表として示し、社員が仕事と家庭を両立できるよう制度を充実させて利用促進を図り、成果を挙げている姿が浮き彫りになっています。(今後努力を期待すること) 第1に、豊田通商は、2011年、次の10年で目指すべき目標を明確にし、グループ社員が共有するために、新しい「GLOVAL 2020 VISION」を策定しました。 これは、理念体系と整合させて「ありたい姿」として、「地球環境と事業の持続性に責任を持つ企業」「お客様に安心・安全を提供し、信頼される企業」を掲げて、目指すべき企業像を明確にしています。 今後は、このVISIONを実現するために、具体的な実行計画、実践成果の評価、課題と対策などを年度別に作成し、その過程を情報公開することを望みます。これによりステークホルダーからの信頼が一段と高まりましょう。 第2は、社会的責任の国際規格ISO26000が2010年11月に発行されました。 さらに、わが国ではこの国際規格にもとづき、2012年にはJIS(日本工業規格)化される予定です。 ISO26000が明示する7つの中核主題である「組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティーへの参画及びコミュニティーの発展」を意識して、CSR活動方針と戦略を策定し、着実に成果を挙げることを期待しています。1959年中央大学法学部卒。1954年~90年日本銀行勤務の後、早稲田大学大学院講師等を経て、2002~06年立教大学大学院教授。日本経営倫理学会名誉会員、経営倫理実践研究センター理事・首席研究員、経済産業省「ISO26000JIS化本委員会」委員等。著書多数。東京交通短期大学 学長[プロフィール]田中 宏司 氏46

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