豊田通商株式会社 CSRレポート2011
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20完全養殖を商業ベースに乗せるため長崎・五島列島に新会社を設立 完全養殖クロマグロを普及させていくためには、この完全養殖ヨコワを大量に育成し、安定的に供給しなければなりません。しかし、そのためには大型イケスなどの大規模投資や販売先の拡大が必要です。そんな理由で学外の協力者を模索していた近畿大学と、食料分野事業の強化を進めてきた当社の思いが一致し、両者の間に「クロマグロ完全養殖」に関する技術協力提携が結ばれました。この提携にもとづいて、当社は完全養殖稚魚をヨコワサイズまで育てる「中間育成」を事業とする新会社の設立を決定。静かで清浄な海が広がる長崎県の五島市を事業拠点に選び、地元産業への貢献や漁業関係者との共存にも配慮しながら新会社の設立準備を進めました。 こうして2010年6月に創設されたのが、新会社「(株)ツナドリーム五島」です。同社では現在、五島市福江島に設置した海上イケスで、近畿大学から提供される人工孵化稚魚(体長約6cm)をヨコワ(体長約30cm)に育成しています。2010年12月には、このヨコワを養殖業者に初出荷。今後も、同事業のさらなる拡大を目指していきます。豊田通商の子会社「(株)ツナドリーム五島」では、近畿大学から提供されたクロマグロの稚魚をヨコワまで育成、国内の養殖業者に供給します。ヨコワは各養殖業者のもとで出荷サイズの成魚にまで育てられ、卸売業者や小売業者を経て飲食店や各家庭の食卓に提供されます。完全養殖クロマグロの育成・供給餌やりヨコワ 約30cm(株)ツナドリーム五島沖出し・中間育成約6cm→約30cm/500~700g稚魚ヨコワ島山島ツナドリーム五島事務所イケス大宝寺大瀬崎灯台長崎県五島列島消費者卸売・小売養殖・出荷出荷サイズ養殖業者親魚育成親魚近畿大学五島市長 中尾 郁子氏 五島市では豊かな環境に囲まれた「しま」の優位性を活かすため、地域一体となった「マグロ養殖の基地化」を推し進めています。マグロの生育に適している五島の海に稚魚の安定確保という要素が加わることは、大きな強みとなっていくに違いありません。ツナドリーム五島の発展に期待しております。近畿大学水産研究所 所長 宮下 盛氏 当研究所が実現したクロマグロ完全養殖技術の確立は、水産資源の枯渇問題に対する一つの答えです。ツナドリーム五島様の事業ドメインは、私たちの産業支援型研究の実践であり、社会的な研究成果といえます。今後もクロマグロの完全養殖を通じて世界の水産資源持続に寄与できればと思います。ステークホルダーの声

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