豊田通商株式会社 CSRレポート2011
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化学品・エレクトロニクス本部原料調達から製造、販売までの一貫した供給体制で、メーカーの期待に応えます。有機化学品部 部長奥村 繁 限りある石油資源の消費を抑制するために、これまで、さまざまな植物由来のプラスチックが開発されてきました。しかし、その多くは石油由来品に比べ、強度や耐熱性、耐久性、成形性に劣るポリ乳酸を工夫して使っていたため、用途に制約がありました。 そこで、当社が着目したのが、ポリ乳酸よりも強度に優れた樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)です。サトウキビ由来のバイオエタノールから製造したPETは、従来の石油系PETと同等の性能を持つため、従来品をそのまま代替することができ、最終製品メーカーが導入しやすいのが大きな特長です。 バイオPETは、原料であるテレフタル酸とモノエチレングリコール(MEG)のうち、重量構成比の30%にあたるMEGをサトウキビ由来のバイオエタノールから製造します。サトウキビから砂糖を精製した後の廃糖蜜が原料なので、食料と競合せず、森林破壊にもつながりません。 バイオエタノールは、ブラジル国営石油会社Petrobras社から調達。2012年からの10年間、毎年約14万キロリットルを引き取る約700億円規模の大型契約を締結し、安定調達を可能にしました。石油資源枯渇や地球温暖化といった問題を背景に、近年、さまざまなメーカーが環境負荷の低い原料を安定確保できる調達先を求めています。こうしたニーズに応えるために、豊田通商が構築したのが、バイオPETのサプライチェーンです。新開発のバイオPETは、石油由来プラスチックと同等の品質を持つため、採用されるボトルメーカーや繊維メーカーにとってハードルが低く、普及させやすいという利点があります。現在は、2015年に年間100万トンの生産体制を確立することを目標に、パートナー候補数社と協議を重ねています。従来型バイオプラスチックの課題を克服原料調達から製造、販売までの一貫体制を確立バイオPETと従来型バイオプラスチックの比較項目バイオPET従来型バイオプラスチック(ポリ乳酸)リサイクル従来品との品質差異従来品との価格差異生分解性市場規模可能でリサイクル市場規模拡大なし(単純な置き換えが可能)高価だが市場吸収可能なレベルなし約5千万トン可能だがリサイクル市場規模小あり(技術レベルの向上が必要)高価遅い数千トン石油資源の消費を抑制することで地球温暖化の防止に貢献するためにバイオPETの安定供給に着手燃焼しても大気中のCO2総量を増やさないことから、バイオエタノールが石油代替資源として注目を集めています。豊田通商は、サトウキビ由来のバイオエタノールからバイオポリエチレンテレフタレート(PET)を生産し、自動車内装材や衣料品、PETボトルなどのメーカーに安定的に供給するために、調達・製造・販売まで一貫してサポートする体制を、世界で初めて構築しました。出資(50%)豊田通商サトウキビの廃糖蜜サトウキビ精製業者バイオエタノールPetrobras社精製ブラジル台湾緑醇社の設立記念式典エタノール工場17

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