「明日の成長市場」アフリカで勃興する中間層向けに飲料事業を展開

豊田通商が出資するフランスの大手商社CFAOは、長年にわたってアフリカ社会に根差した事業を展開しています。
アフリカ中央部に位置するコンゴ共和国でも、他の欧州企業に先駆け、グローバルブランド飲料の製造・ボトリング・卸売事業を展開、勃興する中間層の生活に浸透しています。

CFAO S.A. 会社概要
創業:
1887年
従業員数:
11,600名(連結)
売上:
36億ユーロ(2013.12期)
所在地:
フランス パリ
代表者:
Richard Bielle
事業内容:
自動車輸出入、医薬品卸など
主な出資者:
豊田通商(98%)

資源依存型経済から産業の多角化へ

近年、アフリカは世界平均を上回る成長を続けています。その恩恵が、所得水準の向上をもたらし中間層も増加。2010年10億人だったアフリカの人口は、2050年に倍増することが予想され、消費市場としてのアフリカにますます注目が集まっています。

それに伴いアフリカの経済成長は、新たに個人消費がその牽引役として台頭しているものの、現状では依然として天然資源とインフラ開発への投資という従来型の開発事業に支えられています。より多くの人々が経済成長の恩恵を受け、生活向上を実感できるインクルーシブ(包括的)な成長を実現するために、従来型の経済成長からの脱却が喫緊の課題となっています。

コンゴ共和国で飲料事業を20年にわたり展開

配送するための箱詰め作業
配送するための箱詰め作業

CFAOは、GDPの6割、国家予算の8割を石油に依存し、産業の多角化が急務であるコンゴ共和国で、90年代から飲料の製造・ボトリング・卸売事業を展開しています。

1994年に欧州ビール大手であるHeineken Internationalとの合弁会社“Brasseries du Congo(以下BRASCO)”を設立、首都ブラザビルと周辺内陸国の玄関口であるポワントノワールの2都市に製造工場を有しています。世界的なビールブランドであるハイネケンやコカ・コーラに地ビールを含めた、計10 種類以上の商品の原料調達・生産・ボトリング・配送をしており、2013年の販売量は2.9億リットルで、同国の飲料市場において90%以上のシェアを占めています。生産された飲料は同国内を中心に展開する16,000の販売店に出荷し、小売店、レストランやバーで販売されています。

BRASCOの長年の取り組みにより、ビールやソフトドリンクが地元の文化として定着しました。同社は堅調な消費に応じるべく、生産能力の拡張・設備の近代化に向けた投資を順次行い、現在では10年前に比べ、2倍の生産能力となっています。

また地域雇用の創出にも貢献しています。現在従業員は800名を超え、管理職の86%はコンゴ出身であり、47%の従業員が10年以上にわたり勤続しています。

企業価値のさらなる向上のため、3つの分野でCSRを推進

地域への貢献として、無料の給水施設を設置
地域への貢献として、無料の給水施設を設置
専門のスタッフが品質のチェックを行う
専門のスタッフが品質のチェックを行う

同国飲料市場の成長に伴い、競争がますます厳しくなっている昨今、BRASCOは企業価値のさらなる向上のため、新たな3つの取り組みを開始しています。

第一に環境への取り組みです。BRASCOはビール製造において自然由来の材料にこだわっています。例えば発酵の間に発生した炭酸ガスは、ろ過やボトリングのために再利用されます。さらに生産過程で大量の水を使うため、そこで発生する全ての廃水を浄化する設備を導入し、地域の環境負荷の軽減に努めています。また、水道インフラが古く、全国民に水を供給することはとても困難であることを受け、BRASCOは、2005年にブラザビルにてアフリカ中央部で初めて排水処理施設が併設されたビール醸造所を建設、2009年にはポワントノワールにも建設しました。両施設はそれぞれ最大2,880m3、1,440m3の処理能力があります。稼働の際には周辺部の水資源の状況と照らし合わせ、住民の水の利用を妨げることの無いように配慮しています。これに加え、BRASCOでは毎年約3,000m3の水を寄付しており、2013年はポワントノワールに無料の給水所を建設しました。

第二に地域との共生です。地域の皆様にBRASCOの取り組みの理解を図るべく、2013年11月に工場オープンデーを開催し、普段公開していない工場の見学、事業の紹介や試飲会を行いました。BRASCOは製品の質・サービスを維持すべく、ISO9001などの国際認証を取得しています。食品の衛生について厳格に管理するために、HACCPシステムも運用しています。それ以外にも、重要な取引先であるハイネケン社や、コカ・コーラ社の独自の安全・品質保証審査を受けています。また、2013年には“no drink & drive”と呼ばれる、タクシーやバス運転手に飲酒運転の問題に対する自覚を促す公的キャンペーンを打ち出しました。

最後に、多様な消費者ニーズへの対応です。女性をターゲットとしたフレーバービールや低アルコールビールの開発、地方都市の消費者や愛飲家向けにペットボトル商品の導入など、多くの消費者に愛される新商品を開発しています。

新たな事業を通じてアフリカの成長をサポート

CFAOは、Equipment分野(主に自動車・産業機械)、 Healthcare分野(医薬品)、Consumer Goods分野(主に消費財・小売事業)の3つの分野を戦略的事業領域と位置づけています。なかでもアフリカ地域の人々の生活をさらに豊かにすることに貢献すべく、ニーズの高いConsumer Goods分野での新たなビジネス展開を加速しています。

2013年にはフランスの小売大手であるCarrefourと包括的覚書を締結しました。両社で合弁会社を設立し、中西部アフリカ8ヶ国でモダンリテール事業を展開し、より豊かな生活の実現への貢献を目指します。また、コンゴ共和国で培った飲料事業の他国への拡大や日用品の製造・卸売など、新規プロジェクトも検討していきます。

今後もCFAOは現地で付加価値を創造する事業を通じて、アフリカの経済発展に貢献し、パートナー企業とともに、より一層アフリカに根付いた活動に取り組んでまいります。

担当者メッセージ
Managing Director, Brasseries du Congo Christian VILLA

コンゴ社会の一企業市民として、CSRを推進しています。

BRASCOは、企業市民として、環境や社会との共存共栄をはかりながら自社の事業を展開しています。そこで私たちは、以下の考え方に基づいたCSR方針を掲げ、取り組みを推進しています。

まず、資源を共有する地域社会の一員として、水使用量と排水処理を常にモニタリングしています。また、事業活動による環境負荷を抑制するため、二酸化炭素排出量を測定しています。さらに、地域産業の発展に貢献するため、生産に使用する原料の現地調達を推進するとともに、すべてのステークホルダーと協働で資源の節約に努めています。従業員とその家族に対しては、伝染病を予防・治療し、HIV/AIDSについて啓発するプログラムを導入し、誰もが利用できるようにしています。

私たちは、こうした取り組みがコンゴ共和国の発展に向けた持続的な支援につながるものと確信しています。

Managing Director,
Brasseries du Congo
Christian VILLA

「事業活動を通じたCSR」記事一覧