レアアースへの取り組み

レアアースを安定的に供給するために新たな調達先の開拓を推進

さまざまな先端産業分野に不可欠の原材料であるレアアース──近年はその中国への依存度の高さが問題となっています。
豊田通商は、インド、ベトナム、インドネシアなど世界各地でレアアースの採掘権を取得、精錬工場を建設し調達先の分散とユーザーへの安定供給を目指しています。

【インド】 ウランやトリウムを抽出した際に発生する混合塩化希土からレアアースを生産

当社は、インドで、レアアースの生産工場の建設計画を進めています。インド政府(原子力庁)の傘下企業・IRE社が、漂砂鉱床から採掘している鉱石中には、モナザイトが含まれます。このモナザイト鉱石から原子燃料(ウラン・トリウム)を抽出すると、後に副産物として混合塩化希土が生産されます。

建設予定の工場は、これまで活用されていなかったこの混合塩化希土を原料に、ネオジウムやランタン、セリウムなどのレアアースを生産するものです。工場の運営主体は、当社のインド現地子会社TREI社で、2011年7月に建設着工し、2012年4月には生産を開始できるよう準備を進めています。プロジェクトが順調に運べば、2012年から年間3,000~4,000トンのレアアースを生産できる見込みです。

  • TREI社:Toyotsu Rare Earths India Private Ltd.

【ベトナム】 レアアース鉱山開発から製造工場までのサプライチェーンを創出

日本とベトナムは、2010年10月の首脳会談で、レアアース鉱山の共同開発に合意しました。これを受け、当社は従来から進めてきたベトナムでのレアアースプロジェクトを本格的に推進していくことを決定。2011年に、ハノイ北西・ドンパオにあるレアアース鉱山の開発に関する合弁会社を現地企業と設立し、2011年後半の採掘権の獲得を目指しています。

採掘権の取得後、2012年より精錬プラントなどの整備を開始し、同年夏にはセリウム・ランタン・ネオジウムなどの生産を開始する計画です。同プロジェクトが成功すれば、日本の需要の約4分の1に相当する、年間約7,000トンを安定供給できる見通しです。

【インドネシア】 スズの精錬過程で排出されるスラグ(残渣物)からレアアースを回収

当社は、世界的なスズの産地であるインドネシア西部のバンカ島でもレアアース開発を進めています。これまで同地では、スズ地金の精錬過程で排出されるスラグを産業廃棄物として管理していましたが、このスラグにはレアアースが含まれます。

現地に専用プラントを建設し、最新の精錬技術を用いてこの廃棄スラグからレアアースを回収、ハイブリッド車や電気自動車の基幹部品に必要なネオジウムやディスプロシウムを抽出する計画です。

レアアースのバリューチェーン

世界各地で鉱山開発や新たな原料開発、精錬工場の建設を進め、新たなレアアース資源の確保と安定供給に努めています。幅広い分野の製造業で利用されるレアアースは、ハイブリッド車や携帯電話をはじめさまざまな製品を通じ人々の暮らしに役立っています。

豊田通商が取り扱うレアアースの種類・用途

各地域とのWIN-WIN関係の構築に努めています。

近年、ハイブリッド車のモーターや携帯電話のバッテリーなど、さまざまな先端産業分野でレアアースの需要が激増しています。このようなニーズに応えるために、豊田通商では、レアアース資源の安定確保を目指し、インド、ベトナム、インドネシアなど世界各地で調達先の開拓を進めています。また、その際には、現地の環境保全に最大限に配慮するとともに、各国の経済発展への貢献、人材育成、技術移管など、各地域とのWIN-WIN関係の構築に努めています。

金属資源部 部長
山岸 直人

社会・市場の動向

レアアースの供給はこれまで、全世界の生産量の90%以上を産出する中国に頼ってきました。ところが、2006年以降、中国が資源保護政策をとるようになったため、中国外の需要国でレアアースの需給が逼迫、価格が高騰しています。

このため、レアアースを安定調達するための供給先の開拓が、産業界全体で緊急の課題になっています。

レアアース世界需要実績/予測

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